不動産の証券化とは、不動産が生み出す収益(利益又はキャッシュフロー)を裏づけする証券を発行し、これを投資家に買ってもらうことで資金の調達をする仕組みのことです。
100億円のビルも、一口100万円に証券化されれば、より多くの投資家がこのビルに投資できるというわけです。1人で100億円用意できる人を探さなくてもいいことになります。
このような性質を持つ器(ビークル)のことを導管体(コンジット)と呼びます。
これには、法人税のかからないビークル(パススルー型)と法人税はかかるがエクイティ配当分については損金として控除できるのでSPEには法人税がかからないビークル(ペイスルー型)があります。
不動産の証券化では、投資家はSPEの資産が生み出す収益が全てです。万一オリジネーター等が倒産しても投資家を守るためにSPEを切り離すのです。
オリジネーター(原資産所有者)が不動産を証券化する目的の一つは、貸借対照表(バランスシート)から対象不動産をはずす(オフバランス)ことで、保有資産や借入金のスリム化をはかることができることが挙げられます。また、売却益が顕在化されることもメリットのひとつですね。
証券化した後もその不動産に関連するビジネスに関与する可能性も大きいと思います。SPEのエクイティの一部取得、SPEからの不動産管理の受託、SPEの不動産売買の仲介業務受託などなど。
不動産投資が、ミドルリスク・ミドルリターンの特性を持つようになり、投資家にとってリスク分散、リターン向上につながる効果があります。
アセットマネジメント(資産運用)、プロパティマネジメント(物件管理)、ブローカレッジ(不動産仲介)などのビジネスを獲得できる。
他に、コンサルやアレンジメント(調整)等のビジネスチャンスもあります。
なにより、潤沢な資金が不動産市場に流れ込んでくれば、不動産の開発や取引が活発化することになります。
資産流動化に基づいて証券化する手法
有限会社制度と匿名組合制度に信託受益件を組み合わせた方式
※2006年に施工予定の新会社法で有限会社制度が廃止されるため、留意する必要があります。
倒産隔離のために中間法人やケイマンSPCを利用する点などは他のストラクチャーと同様です。
投資信託法(投資信託及び投資法人に関する法律)に基づく制度
証券投資信託法で専門家が投資家から資金を集め、「有価証券」に投資していたものが、2000年に投資信託法になり、不動産に投資することも可能となりました。証券化のために「投資信託」と「投資法人」の器がありますが、実際は「投資法人」が使われています。
ここまで説明してきた証券化は、実物不動産が生み出すキャッシュフローを受け取ることを目的とするエクイティ型の不動産証券化です。一方、不動産担保貸付金を証券化する「デッド型の不動産証券化」があります。
それが、住宅ローンの証券化(RMBS[Residential Morgage Backed Securities])と商業不動産を担保とするノンリコースローンの証券化(CMBS[CommercialMorgage Backed Securities])
証券化されるローンは、オフィスビルなどの商業用不動産を担保としたノンリコースローンが典型です。
金融機関などがノンリコースローンを全て保有しているとデフォルトリスクや金利リスクを自社で一手に引き受けることになるので、証券化によってオフバランスする場合があります。
オリジネーターはノンリコースローンをSPEに売却し、SPEは証券(CMBS)を発行して資金を調達します。
不動産証券化手法の一つである不動産特定共同事業をするには事情所に業務管理者を置く必要があります。(不動産特定共同事業法第17条)
業務管理者となるには、宅地建物取引主任者の登録者で、3年以上の特定共同事業の実務経験があるか、不動産コンサルティング技能登録者やビル経営管理士の有資格者であることが求められいます。
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