調べたリスク(危険)を書面化し、適切に重要事項説明をすることがトラブル防止の最良の方策です。
リスク回避のためには、まず気づかなければなりません。
気づけば、調べることができます。
そしてリスク(危険)の本質を把握します。
リスクの本質は、こまめに情報収集し、時間と手間をかけなければ把握できません。
まず気づき、それを調べて、重要事項説明書に表現する。
この流れが、リスク回避に有効です。
不動産取引に境界紛争はつきものです。
坪単価の高い都市圏に行ったらなおさら。
1センチでも自分の土地が狭くなるのはイヤだ、ということでしょう。(確定したところが確定であって、「狭くなる」ということはないのですが・・・)
不動産引き渡し後は、測量した面積と登記簿面積との間に大きな違いがあると、重大なトラブルになるケースがあります。
売買契約は、登記簿面積なのか、実測清算するのか、ハッキリさせておきましょう。
境界確定についてまず確認すべきことは、「地積測量図」が存在しているかどうかです。
この「地積測量図」も古いもの(昭和52年10月以前)は精度が低いので注意が必要です。
隣接地主とキチンと立会をしたのかどうか。
市役所の道路管理課(といったような部署)に行けば分かります。これは、『買う時3市役所調査』のところでも説明しました。
2006年1月20日には、『筆界特定制度』が施行されました。
隣接地主と境界のことでもめて境界が確定しない時、法務局に申請をして「筆界」を「特定」してもらえるようになりました。
筆界特定すれば登記事項証明書の表題部にある「筆界特定」欄にその旨が記載されますが、申請中であった場合登記事項証明書には何の表示もされないため、第三者にわかりません。
筆界特定申請中であれば、売主として、その旨を開示しなくてはいけません。
土地の所有権の登記名義人等の申請に基づいて、筆界特定登記官が外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、土地の筆界の現地における位置を特定する制度です。
平成18年1月20日から施行されています。
「筆界」とは、ある土地が登記されたときにその土地の範囲を区画するものとして定められた線であり、所有者同士の合意によって変更することはできません。
「筆界の特定」とは、ある土地が登記されたときにその土地の範囲を区画するものとして定められた線(筆界)を現地において特定することです。
主に、境界に争いがある場合や境界自体に争いがあるというより、境界の立会に来てくれない、とか、筆界確認書にサインをしてくれないため地積更正登記や分筆登記ができない場合にこの制度を利用します。
土壌汚染の可能性があれば、その可能性を告知する義務が生じます。
不動産取引での、「契約意思決定を左右する重要事項」、「契約金額が相当とみなされる重要事項」にあたりますので、宅建業法第47条義務違反に問われる事項です。
土壌調査が必要となるのは、以下の表のとおりとなります。
| 3条 | 有害物質使用特定施設の廃止時(水質汚濁防止法・下水道法の特定施設) |
|---|---|
| 4条 | 一定規模(3000㎡)以上の土地の形質変更の届出 (※平成22年4月改正において追加) |
| 5条 | 土壌汚染により、人の健康被害が生じる恐れがあると都道府県知事が認めた土地 |
不動産購入者に売主として開示しなければいけない事項として、
土壌汚染の可能性に関することとして一般的に注意するべき事項としては、工場跡地、、周辺に大規模工場、産廃処分場跡地、クリーニング所跡地、ガソリンスタンド跡地、近隣のごみ焼却炉場、などです。
資料収集 アンケート調査 現地ヒアリング リスクの定性的診断
表土調査 土壌ガス調査 ボーリング調査 地下水調査分析
トリータビリティテスト 対策工設計 浄化工事 モニタリング
建物を建築する上で、地盤の状況が軟弱であるかどうかは、不動産の購入者(買主)にとっては重要なことです。
地盤が軟弱であったために新築した住宅が傾いた損害について、販売代理業者に対して損害賠償しなさい、という判決が東京高裁から出されました。
地盤調査の記録(報告書)が存在するのかどうか確認してみましょう。
報告書がない場合は、「本物件では地盤調査記録はありません」と説明します。
報告書がある場合、地盤が軟弱である旨の記載があれば、買主に告知することが重要です。
地盤調査および地盤補強工事の対象とする建築物の規模は、
地盤調査は敷地の地盤状態を調べ、適切な基礎仕様・地盤補強工法の選定を行う目的で実施する。
※原則としてスウェーデン式サウンディング試験を採用する。
他には、
表層地盤改良は、セメント系固化材と対象土を攪拌混合および転圧し、均質な安定処理地盤の造成を行い不同沈下を抑止することを目的とする。
柱状地盤改良は、セメント系固化材と水を混合攪拌したセメントスラリー(以後スラリーと呼ぶ)を作成し、このスラリーを攪拌装置先端より吐出しながら回転・掘進することで、対象土とスラリーが固化反応し、柱状の改良体を築造することで地盤の支持力の向上と不同沈下の抑止を目的とする。
小口径鋼管工法は、一般構造用炭素鋼鋼管(JIS G 3444 STK400以上)を回転圧入によって、所定の深さの支持地盤に根入れする。鋼管先端部の支持力と鋼管周面の摩擦力によって建物荷重を支持させるものである。
地耐力と同じように、地中に古い井戸や地下室、杭、などが存在し、建築する際に支障をきたすようなことがあれば、買主にとっては重大なことです。
それらの撤去費用が思いがけない出費となり、買主から訴えられることもあります。
地下室や杭などの存在は、建築図面などが存在していればなんとかわかりますが、古い建物となるとその図面類すらそろわないこともたびたび・・・
市街地などは、隣接する建物の基礎が、土の中で越境してきている、なんてこともあります。(こうなると境界の問題と地中埋設物の問題ということになります)
できるだけの資料をかき集めて、土の中のことを判断するしかないのですが、限界もあります。
レーダー波などを使って、地中にどんなものが埋設しているか調査することもできます。だからと言って毎回、機械を使って調査するわけにもいきません(結構な金額しますし)
地中埋設物の調査をしていなければ、「していません」と買主に告知することが大切です。
不動産購入者(買主)がビルやマンションを予定しているときは、どうしても下を掘り下げますので注意が必要です。
結論として、だいたいの調査項目について、「本物件調査には、○○○○の調査はしていません」と「告知すること」がとても重要ということですね。
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