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不動産ビジネス手法

最適な事業方式の判断を行うために、各事業方式のメリット・デメリットを把握する必要があります。

  • 事業目的と事業に対する希望・意欲・経験の程度
  • 各事業方式の事業リスク
  • 市場動向(経済・金融情勢、賃貸・分譲市場動向)
  • 土地売却に対する考え方(処分を前提とした事業への転換の可能性)
  • 事業採算

事業採算があわないときは、収支の改善を図ります。腕の見せ所です。建築構造、グレードを下げたり、建物プランを変更して収益性を図ったり、ランニングコストの見直しを行います。

当然のことながら、依頼者の事業目的が最優先しますので、そのことを忘れずに。(意外と忘れやすいんですよねえ・・・)

等価交換方式

土地所有者の土地に開発業者(デベロッパー)が建築関係費用を負担して建物を建築し、完成した建物とその敷地をそれぞれの負担した事業費の割合で分け合うという手法です。

全部譲渡方式と部分譲渡方式に区分されます。

全部譲渡方式とは、文字通り、土地の全部をいったんデベロッパーに譲渡、その対価として土地・建物を取得する方法のことです。

部分譲渡方式とは、土地の一部をデベロッパーに譲渡し、その対価として建物を取得する方法のことです。

税法上の扱い

租税特別措置法に規定する買換え若しくは交換の特例を適用することによって、土地の譲渡益に対する課税を繰り延べる事ができます。特例によって適用要件が異なります。

等価交換のメリット

  • 土地があれば新規に資金投下することなく事業化を図ることができる
  • 借り入れがないため、事業リスクが少なく、採算性はきわめて良くなる。
  • すべての建物に買い換えず、一部を現金で手元に残すことによって、相続税の納付資金を確保することができます。

事業受託方式

土地所有者が事業主体となって建物を建築し、完成した建物をデベロッパーなどに一括して賃貸して安定収入を得る方式。

資金は土地所有者が調達することになりますので、なによりも事業収入によって投下資金が回収できるか、が重要になります。

事業受託のメリット

  • 土地を手放すことなく、事業を図ることができる。
  • デベロッパー等に一括で賃貸することによって安定収入を得ることができる。
  • 相続時の建物の評価は、建築費よりもかなり低く評価され、また借入金は相続財産から債務控除されるため、相続対策を図ることができる。(ただ、借入金の返済が進み、土地の相続税評価額が上昇すればその効果は薄れていきます)

定期借地権方式

借地権存続期間の更新のない定期借地権。土地を貸すのみで収益を上げる方式。(平成19年借地借家法改正)

定期借地権のメリット

  • 一定期間土地を貸すだけなので、事業資金の負担がない。
  • 建築、管理等の業務がなく、事業リスクがほとんどない。
  • 保証金等の一時的な収入のほか、地代の安定収入が得られる。

税務上の取扱い

設定時に土地所有者が受け取る一時金が、権利金(返還を要しないもの)か、保証金(返還を要するもの)か、によって税務の扱いは異なります。

土地信託方式

信託の制度を利用し、土地の有効活用によって収益を上げる目的で、土地所有者(委託者)がその土地を信託銀行等(受託者)に信託し、信託銀行等が信託契約のさだめるところ(信託目的)に従って、建築資金の調達からテナントの募集、建物の維持・管理あるいは処分等を行い、その成果を土地所有者(受益者)に信託配当として交付する事業手法。

土地信託のメリット

  • 信託時に土地の所有権は信託銀行等に移転しますが、信託終了時には土地・建物ともに返還されるので、実質的に土地を手放さずに、有効活用できる。
  • 信託銀行等が、事業の企画、建築に係わる業務、事業資金の調達、テナント募集、賃貸管理など行うため、土地所有者にノウハウがなくても問題ない。
  • 信託配当として事業収益を得ることができる。(信託配当は信託財産の運用の実績に基づきます)
  • 信託期間中に委託者(受益者)に相続や破産といった事態が生じても、相続人は受益権を相続することになり、信託財産そのものを相続するわけではないので、信託銀行等の名義で安定的に運営される。
  • 信託期間中に資金が必要になったら、受益権を譲渡したり、担保に入れることができる。

税務上の扱い

委託者と受益者が同一であることなどの要件を備えた土地信託では、税務上、土地所有者(委託者 兼 受益者)が直接事業を行っているものとみなされます。

そのため、信託時に所有権が移転しても譲渡課税が行われず、個人が受け取る信託配当は不動産所得として扱われます。

不動産の処分方式

最後に、土地を有効活用できない場合、処分して換金したり、他の不動産に買い換え(交換)したほうがいいという時に行う方式。

方式、というか、単に処分(売買)するという話なのですが、単純売却、共同売却、追加買収・隣地買収後売却、事業化後売却、交換・買換えなど、その選択は依頼者(土地所有者)が対象不動産を処分する理由と、処分後に予定する事業展開によって大きく異なりますので、注意して進める必要があります。

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